77. 低コストに特許権の行使先候補を抽出する手順

まずは、権利行使できそうな自社の特許権を抽出する。抽出の基準は次のとおり(全てが満足されるのが望ましい)
1.独立クレームの行数が短いもの(要は、クレームの構成要件が少なく、しかも構成要件がすべて単純である もの)
2.クレームの内容が分かり易いもの
3.権利の残存期間が少なくとも3年はあるもの
4.対応する外国出願がつぶれていないもの
5.実施していそうな製品分野を思い付くもの
6.実施していそうな製品分野の市場規模が大きそうなもの
権利行使できそうな自社の特許権にカバーされそうな他社製品のあたりをつける(ただし、この段階ではあまりコ ストをかけないで調査する)
その方法としては、インターネットのホームページ、雑誌の記事、論文記事、展示会での出典内容などから他社製品 の調査をするという方法がある。
最もコストが安いのがインターネットでの調査である。インターネットでの他社製品の調査のこつを下記に記載す る。
検索エンジンの中で、ドメイン、検索期間、言語などを限定できるものがあるので、それを用いて、技術を示すキ ーワードを適切に使用して検索する。(例:google, Alltheweb) それにより、ドメインネームとしてedu,gov,org,netなどを避け、comのように企業が使用するものに限定する。
こうして検索してでてきたサイトで、該当するものを読んで、製品に結びつき易い適切なキーワードを抽出し、 それを用いて再検索する。
こうして検索してでてきたサイトで、該当するものを読んで、ターゲット製品の型式名、関係者の氏名を抽出し、 それを用いて再検索する。 こうして得た情報をもとに、今度は新聞記事のデータベースや雑誌記事のデータベースをアクセスできるサイトで 、ターゲット製品の型式や関係者氏名などを入れて、ターゲット製品やターゲット企業の動向の情報を把握する。 販売価格、販売計画、提携関係、ディーラーなどもわかってくる。
こうやって、ターゲット製品の情報が入手できてきたら、その製品の販売企業、製造企業の情報の収集をする。 これについては、上記のインターネットで得られる情報の範囲を越えて調査する必要が出てくる場合が多い。 その場合には、企業調査の専門家に依頼するとか、そのような企業から政府に提出されている申請書であって、公開 されているものを入手する。または、調査会社を用いてその企業に資料送付依頼を出して、資料を入手する。 自社特許の有効性調査をして、権利範囲をさらに正確に把握する。
次に、自社製品と他社特許の関係を示すデータベースに、そのターゲット企業の特許権が危険なものとして含まれて いるかどうかをチェックする。大きな危険があれば、ターゲット企業から、その企業を他の企業に替える。 ターゲット企業のターゲット製品を購入して、特許権との関係を分析するための分解調査を実施する。そして、侵害 鑑定を実施する。
その後、警告状の送付、交渉、訴訟、和解交渉などと続く。
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