36. 事業企画書には自社特許の特許番号を記載できるようになろう
事業を企画する場合、顧客満足の革新をいかに実現するか、ビジネスモデルは成立するか、製品やサービスの品質
は基準を満足できるか、供給体制やアフターサービスの体制をいかに構築し維持するかなど、多くの問題を解決する
方策を考察しなければなりません。その中で、競合企業対策をどうするかというものも事業企画の大きな要素となり
ます。競合企業対策の大きな武器として、特許権があります。事業企画の中に存在しているアイデアを発明として抽
出し特許出願をすることは、もちろん必要ですが、事業企画の段階であわてて特許出願をしても、その特許出願は権
利化されていないので、その事業企画には役立ちません。すでに権利化されている特許権でなければ、事業企画には
用いることはできません。特許戦略がうまく実行されている企業や、突出した洞察力を持った発明者(創業社長であ
る場合が多い)を擁する企業では、事業企画をしようとする段階では、その事業企画にとって非常に重要な特許権が
すでに獲得できている場合があるものです。
そのような場合、事業企画をする担当者は、こんなすごい発想が10年以上前から当社にあったのかと、そのような
洞察力を持った先輩社員(後輩の場合もあり)に感謝しながら、その特許の特許番号と特許権の概要を事業企画書に
記載しています。このような場合、特許戦略の担当者は、その特許権を事業戦略の中で活用するための方策を立案し、
良い特許戦略の場合、経営者は積極的に特許戦略の実行のために経営資源を配分することが望まれます。
また、後輩が事業企画するときに役立たせるために、先を見通した発明をし、特許権を獲得するということを行なう
ことが自然になされる企業風土を形成することが重要です。事業企画書に自社特許の特許番号を記載するのが当然で
あるという企業風土にまで到達できれば、技術経営の面でも、特許戦略の面でも理想的です。このような境地に到達
できたら、それは技術戦略、特許戦略、人事制度、営業体制など多くの事項が技術経営の観点から、長期にわたって
良好にまわっていることの証であると思います。
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