35. 特許戦略におけるインターネットの徹底活用

特許戦略を実行する上で、インターネットを徹底活用する方策を述べます。
1. 無料で情報が入手できる特性を活用する。
各国特許庁の特許データベースを無料で検索することは、コスト削減の効果が大きいものです。しかし、日本の昼間に日本の 特許庁のデータベースを検索すると、非常に混み合っていてレスポンスが遅いので、日本の昼間には欧州特許庁や米国特許庁の 特許データベースを検索することをお勧めします。もし、米国や欧州に特許スタッフがいたら、その特許スタッフに頼んで、 日本の特許庁のデータベースを検索してもらえば、日本の深夜に早いレスポンスの検索ができますし、日本の特許担当者が朝 、出勤したときには特許検索の結果がそろっているので、仕事がすぐに始められるというメリットもでます。 これは、当然、欧州や米国の特許スタッフに対して、日本の特許スタッフが提供するサービスについても同じことが言えます。 インターネットで無料で入手できる情報には技術動向ニュースとか、企業のさまざまなサイトなどがありますので、工夫次第 でもっと様々な情報が活用できます。
2. 競合企業の注目製品の評判や問題点の情報を入手し、自社の特許戦略に活用する。
電子掲示板やメーリングリストにおいて、製品に関する使用の感想や、業界の裏話が掲載されていることがあります。それらを そのまま信じることはできませんが、複数の独立の情報源から得た情報を総合して、確からしい情報を獲得することで、競合製品 の特徴、欠点、販売方法、アフターサービスの実態などがわかってきます。ここから、自社製品の事業戦略や技術開発の課題など を見出すことができる場合もあります。
3. 新たな法制度、規制、規制緩和、標準化などの情報をキャッチし、特許戦略を練ります。
インターネット上では、様々な委員会の開催情報、セミナーの開催情報があふれています。これらを用いて、各業界のキーパーソン の氏名を抽出し、そのキーパーソンの発言や、そのキーパーソンのWebサイトなどの情報を収集し、分析することで新たな規制、 規制緩和、標準化などの動向が、非常に早い段階からわかることがあります。このような情報は、特許戦略の作成と実行の上で、 非常に重要なものですので、それを活用します。キーパーソンとしては、大学の教授、政治家、評論家などに注目すべきです。
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