330. 衰退期の組織に現れる各種の衰退ループ

どのような組織も、いつかは滅びる。どんなに素晴らしい創業者が創業した企業であっても、創業の理念はいつかは組織から消滅するし、チャレンジ精神は消滅しやすいものである。
衰退期の組織には、次のような様々なパターンの衰退ループが発生し、その衰退ループがその組織の活性を奪っていく。 これらの衰退ループは、自己保持機能と自己増殖機能を持っているので、組織内に急速に蔓延していく。組織内の少数メンバーが衰退ループに対して危機感を抱いて改革を実行しようとしても、 簡単にそれらの改革の芽を飲み込んで、衰退ループは増殖していく。人間組織であっても、コンピュータのような情報処理システムの組織であっても、組織は構成要素と構成要素間関係から成り立つ。 複雑な組織の中に、作用がループを形成して周囲を取り込みながら成長するものや、同じような構造のループを増殖するものが発生する。階層構造を成す複雑系からみると、ある階層でのループは1階層上位から見ると、属性を有する構成要素となる。 ループの種類が属性となる。ここでは、衰退ループを示したが当然に成長ループというものもある。

● 新企画消滅ループ: @前年実績に対する比率(前年比)で目標値を設定する ⇒ A前年比を表現できない新企画は目標設定されにくくなる ⇒ B目標とは前年比で表現すべきとの常識が広まる ⇒ @に戻る

● 貧鈍ループ: @目標に実績が届かない状態が発生する ⇒ A対策会議を高頻度化させる ⇒ B会議資料の作成に奔走する ⇒ C業務実行の時間が減少する ⇒ @に戻る

● 将来価値消滅ループ: @売り上げが減少する ⇒ A売り上げ増加をさせるために開発メンバーを販売に投入する ⇒ B新商品が減る ⇒ C衰退期に入った商品比率が増加する ⇒ @に戻る

● 新商品消滅ループ: @大手顧客の獲得の証拠が無いので商品開発投資は却下する ⇒ A商品開発投資が無いので新商品の現物を作成できない ⇒ B新商品の現物が無いので大手顧客が獲得できない ⇒ @に戻る

● 責任回避ループ: @責任を回避した者が組織トップとなる ⇒ A責任回避の文章術や会議運営術がその組織に拡大する ⇒ Bチャレンジ失敗で冷遇された他の組織に責任回避風土が伝染する ⇒ @に戻る

● 実務能力消滅ループ: @実務に疎い人が組織のトップとなる ⇒ A人材評価を実務実績や実務能力ではできなくなる ⇒ B人材評価を国家資格の有無や社内社交活動の量で行なう ⇒ C実務をやらず、国家資格の獲得や社内社交をした者が出世する ⇒ @に戻る

● マニュアル増加ループ: @実務スキル不足を補うためと管理者の管理責任回避のために業務マニュアルを作成 ⇒ Aマニュアルに記載の形式どおりの業務を行なえば良いとの業務管理をする ⇒ B業務上の問題が蓄積し、対策を求められる ⇒ C問題の原因をマニュアルの内容に求める ⇒@に戻る

【参考サイト】
1. 複雑系
2. 「場」の情報システム ─組織における自己組織化─
特許戦略メモに戻る      前ページ      次ページ

(C) Copyright 2013 久野敦司(E-mail: patentisland@hotmail.com ) All Rights Reserved

戦略のイメージに合うフリー素材の動画gifを、http://www.atjp.net からダウンロードして活用しています。