329. 素晴らしい発明に接し、それを美しい請求項によって表現し、特許権として活用して事業創造を通じて世界を進化させる事は楽しい
素晴らしい発明を読み、その発明を創造した発明者と会話して、発明者も意識していなかった発明の本質を抽出し、時にはさらに素晴らしい別発明に一緒に仕上げる事は、
大変にエキサイティングである。とんでもなく変わった発想や観点を持った発明者と会話していると、自分自身の固定観念の殻を打ち破ることができたり、目から鱗が
落ちるような体験ができていく。世界が違って見えるのである。そんなチャンスに日常的に巡り合える幸せな仕事が、知財の仕事である。
請求項は、そんな発明を無駄なく正確に分かりやすく、できるだけ広く表現するものであり、請求項を作成する過程は陶芸家が陶器を創作するのに似ていたり、
刀鍛冶が日本刀を鍛え上げて美しい輝きと姿を持たせる過程に似ている。請求項の設計は芸術と同じである。だから、私は芸術家でもある。
請求項を特許権として仕上げ、武器として活用したり、防御壁として活用したり、接着剤として活用しながら、現実の複雑な世界に事業創造する活動は、現実の世界を進化させるのであり、
自分が主役となり新たな歴史を構築するのであるから、感動的である。世界は自分の周囲にあるのではなく、自分が創造するという実感も持てる。
人間は世界の様々な時と場所で活動をして世界を創り上げている。
世界を創造するための要素のなかで、思想の持つ影響力は凄いものであることを実感する。思想は情報であり、ほとんどエネルギーを消費せずに広範囲に伝播できる。
しかも思想は多くの人間の行動に影響を与える。
発明という技術思想を請求項として表現し、社会に発信し、活用するという仕事は哲学者が啓蒙活動をしているようでもある。
こんな請求項をいろいろと組み合わせて、新たな世界のビジョンを描くのも楽しい。自分はアリストテレスやソクラテスを超えているのではないかと思うこともある。
私は変なのであろう。変人に乾杯である。この世界の先頭を走り、世界を進化させている精鋭は変人なのであるから、今後も変人であり続けよう。
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