289.業務効率の考え方

業務効率とは、期限までに所定水準以上の業務成果を得ることを目的に業務を行なった場合における、期限における業務成果の評価レベルを、 投入した資源と負ったリスクの合計で割った値であると考える。

業務効率 = (期限における業務成果の評価レベル)/(投入した資源+負ったリスク)

「負ったリスク」は、後から失うことになる可能性のある資源と解釈することもできる。

業務効率の数式で言えば、分子を100にすることに関心がなく、分母を限りなく0にしようとすることにのみ関心が高い人がいる。 期限における業務成果の評価レベルは、業務成果が期限までに一定レベルを超えなければ0であり、越えていれば100となるという場合が多い。
しかし、いくら分母の値をゼロに近づけても、分子がゼロであれば業務効率はゼロとなる。

業務のベテランや目利きであれば、分子を確実に100にしながら分母の値を小さく出来る方法を知っていたり、そのような良い方法を形成するための 着眼点を保持している。
しかし、その分野の業務の素人や新人であったり目利き能力の無い一般人が、業務効率を上げる唯一の方法は、分子をゼロにしないように分母をできるだけ 大きくすることである。別の表現をすると、「素人や新人は、業務効率を云々する前に、業務成果を達成することだけを考えて全力投入せよ」となる。

また、リスクをゼロにすることを最優先する人もいる。リスクを引き受ける部分がなければ、他者との関係で業務がデッドロックに陥り業務が進行せず、 確実に業務が失敗するというケースが多い。多いというよりもたいていの業務には不確実性が内包されており、不確実性に伴うリスクを背負う覚悟がなければ 業務成果はゼロとなる。負う事が不可能な巨大なリスクの場合もあるが、投入する資源を大きくするとか、何らかの方策を実行すればリスクを許容レベル以下に できるという場合の方が多い。生きていること自身が、常にリスクを伴うのであるから、完全にリスクを排除したければ死ぬしかない。死人にはリスクが無い。
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