277.機能の組み合わせで相乗効果が発現する場合の仕組み
特許出願された発明の進歩性の判断基準の1つとして、審査対象となる請求項に記載の発明において、請求項を構成する構成要素を
いくつかの公知のグループに分け、各グループの発揮する効果を足し合わせた効果を超える予期しない相乗効果を、その請求項記載の発明で
発揮するならば、進歩性を認めるというものがある。
請求項Pが、構成要素A、B、C、D、Eから成るとする。すなわち、P=A&B&C&D&Eである。
そして、公知技術としてP1=A&B&CとP2=C&D&Eが知られていたとする。
このような場合に、Pで発揮される効果Xが、P1の効果であるYとP2の効果であるZを含むが、それ以外の効果ももたらす場合、
PはP1とP2の相乗効果を有すると言える。
相乗効果が発生する仕組みには、P1の部分とP2の部分の間の次のような相互作用が、例として挙げられると、考える。
(1)P1とP2の結合によって、P1にもなくP2にもなかった新たな構造であるB&C&Dの部分が新たな効果の原因となっている。
(2)Pの中のD&Eの部分の出力がAの動作を制御するというフィードバック機能を果たしており、Aの動作効率を大幅に向上させるので、
P1とP2の効果の足し合わせを超える大きな効果をもたらす。
(3)Pの中のBの部分とDの部分が何らかの相互作用を行ない、例えばA&B&Cの部分の動作と、C&D&Eの動作が同期することで
新たな効果が発生する。
【参考サイト】
1. 進歩性等に関する各国運用等の調査研究報告書
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