237.事業と経営に役立つ知財活動
2008年後半からの金融システムの問題から始まった金融不況が実体経済を大きく冷え込
ますということが発生している。
その結果、事業と経営に貢献する知財業務がこれまで以上に求められている。しかし、知財の範囲内だけを
考慮して知財業務を組み立てていたのでは、事業と経営に役立つ知財活動にはならない。
事業と経営に役立つ知財活動を見出すには、まず知財ということを忘れて、事業と経営の課題を具体的に
広く、深く把握することが必要である。最初から、知財というフィルターを通して物事を見ていては駄目
である。
すなわち、知財実務のエキスパートが、他の分野のエキスパートと共に又は他の分野のエキスパートのヒア
リングもしながら、事業や経営の課題を、まずは知財ということを忘れて徹底した調査と分析によって把握
する。その後に、同様の方法で課題解決の方策の体系を構築していく。そうして構築した課題解決の方策の
中には、知財エキスパートならではの知識や意志に基づいて、事業や経営の課題を知財を活用して解決する
方策が含まれてくる。もしも、その知財を活用した方策の優先順位が全体の方策の中で、実行すべきという決定を与え
る必要があるほどに高ければ、当然に、知財エキスパートがそれを、知財活動として実行すれば良い。
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