236.特許価値評価の目的と評価指標

特許価値を評価する目的には、次のようなさまざまなものがあるが、「自社の事業および経営に貢献する」という 基本に直結するものであることが必要である。

(1) 自社の事業発展のために競合排除能力の高い自社特許を抽出する。
(2) 自社の事業領域とは直接の関係は無いが他社の事業を広くカバーして他社牽制力の高い自社特許を抽出する。
(3) 標準規格をカバーする自社特許権を抽出する。
(4) 自社にとって必要な他社特許権を抽出する。
(5) 新たなアーキテクチャを実現する発明や、未来の新産業分野を切り開くような発明を抽出する。
(6) 自社の各事業分野ごとの研究開発活動の評価をするために、特許価値を評価する。
(7) 上記の(1)から(6)のための一次フィルタリングのための機械的な特許価値評価をする。

世間で話題となっている特許価値評価指標には、(7)に属するものが多い。(例:参考サイト(2))
特許価値評価の方法は、特許価値評価の目的に基づいて設定することが必要であり、評価しやすいということを 過大に重視して特許価値評価をしていると、何のための特許価値評価かを見失ったり、さらには何のための特許業務 なのかを見失ってしまう。
その意味では、参考サイト(1)に記載の視点は常に維持することが必要である。

【参考サイト】
(1)企業特許の真価を問う
http://www.ipnext.jp/journal/kaigai/steven.html
(2)YKS手法
http://www.kudopatent.com/a21.html
(3)特許評価について
http://www.oki.com/jp/Home/JIS/Books/KENKAI/n206/pdf/206_R16.pdf

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