222.イノベーションは、利・楽ではなく真・善・美・愛が駆動する

利益と安楽を駆動力とする人間活動は、困難や壁の前で容易に停止する。利益と安楽を駆動力と する者は、未来の確たるビジョンが無く、目先の利益と安楽を求めるので、局所最適のポジションが あると、そこに安住し、利益や安楽が損なわれる方向への活動をしようとはしないからである。 他人と協力してイノベーションをおこせる場面であっても、利・楽だけを求める者は、できるだけ 自分の負担とリスクを減らしながら、できるだけ大きい利益と安楽を得ようとするので、協力すべき 相手との間に利害対立が発生する。そして、本質的な利害対立関係の上に契約関係を築きながら、 相互連携をしようとする。しかし、このような契約関係で結合した者達にはイノベーションはおこせない。

それに対して、真・善・美・愛を駆動力とする人間活動は、困難や壁があると、それを自分達を高める 試練と感じ、それを乗り越える努力をする。そして、乗り越えて到達した新たな境地の価値を、乗り越えた 困難や壁が高めてくれる。利益や安楽を求めているわけでは無く、真・善・美・愛を求めているので、 他との協力による新たな真・善・美・愛をもたらす活動であるイノベーションを積極的に実行できる。
そのため、自分にとっても全体にとっても一時的に利益と安楽が減少しても、実現すべき真・善・美・愛 の増大のために、関係者が協力してイノベーションを実現できるので、高いレベルの利益や安楽が 結果として全体にもたらされる境地にも到達できる。
真・善・美・愛とは、全体の高いレベルの利益と安楽でもあるからである。

イノベーションは、利・楽ではなく真・善・美・愛が駆動するのである。


上記の写真の出典: http://www.worldshiftnetwork.org/home/index.html

環境危機、食糧危機、エネルギー危機、核戦争の危機などが迫り来る今、人類は利・楽を駆動力とした 活動から真・善・美・愛を駆動力とした活動ができる存在に進化し、イノベーションによる価値創造を 用いて、これらの危機を解決しなければならない。
もはや、企業も利・楽を追求する存在ではあり得ない。 企業は、真・善・美・愛を人々が共同して追及し、その結果として利と楽を得るための組織(社会の公器) とならねばならない。
この進化ができねば人類は危機を克服できず、滅亡するのは明らかである。

【参考サイト】
1. イノベーションの本質
2. グローバルブレイン 未来への鍵 地球崩壊を止めるためによりよい世界へ向かう 世界頭脳のクォンタムシフト
3. プロジェクトXの名言集
4. ブダペストクラブ
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