210.市場ニーズ:技術者の考え、事業企画者の考え、販売者の考え
市場ニーズについての技術者の考えが示されているのが、公開特許公報の「発明の効果」の欄である。
発明の効果こそが、発明者が考える発明の最終的な市場価値である。
市場ニーズについての事業企画者の考えが示されているのが、製品やサービスのカタログやホームページ
での広告に記載のキャッチフレーズや特徴リストである。
事業企画者は、このキャッチフレーズや特徴リストが顧客価値を示すものと考え、顧客価値を強調
すれば、売れ行きが良くなると考えているので、カタログやホームページにおいて、それらを掲載
するのである。
販売者の考える市場ニーズは、スーパーマーケットや量販店の折り込み広告に踊るキャッチフレーズ
に現れる。しかし、最近は、価格.COMや楽天や
AMAZONのようなインターネット上の百貨店
での、商品比較サービスに、販売者の考える市場ニーズが端的に現れるようになっている。
たとえば、価格.COMでは携帯電話の製品比較においては、次の項目についての点数を用いて、
各社の携帯電話の比較をしている。
- デザイン
- 携帯性
- ボタン操作
- 文字変換
- レスポンス
- メニュー
- 画面表示
- 通話音質
- 呼出音・音楽
- バッテリー
このように、様々な情報媒体で市場ニーズを誰がどのように考えているのかがわかるようになって
きている。技術開発には時間がかかるし、競合企業も存在する。市場ニーズは潜在しているものが
適切な働きかけやフレームワークやインフラの提供で急激に顕在化することもある。
このような状況下で、将来の市場ニーズに適合した製品のための技術開発を行ない、製品を市場に
投入するということが行なわれているのである。
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