183.人のモチベーションを損なう知的資産経営
創意工夫に人間は喜びを感じるものです。喜びを感じることをするとモチベーションがあがり、成果も出てき
ます。創意工夫の成果を特許出願という形で表現することで目に見えるようにすることは大切だと思います。
その際に気をつけねばならないことは、件数ではなくできるだけ中身の素晴らしさに着目することです。
件数だけに着目して取り扱われると、人はモチベーションを下げます。創意工夫の成果を件数としてのみ取り
扱われたり、金銭価値のみで論じられると、創意工夫の内容や創意工夫をした人に対する尊敬が感じられず、
単なる資産や資源としてしか見られていないように感じるからです。
創意工夫の成果は作品として扱う必要がありますし、創意工夫を行なった人は作者として扱う必要があります。
また、「知」は金銭を単位に計測できるものでもなく、人間の頭脳から完全分離しては存在できるものでもな
いのに、あたかも預金や株式のような取引対象となりえる資産であるかのような取扱いをしようとしていると
ころに、「知的資産」という概念の嘘があります。
知的資産経営の落とし穴が、ここにもあります。
【参考サイト】
1. 経済産業省の知的資産経営ポータル
2.知的資産経営と技術と志
特許戦略メモに戻る 前ページ 次ページ
(C) Copyright 2008 久野敦司(E-mail: patentisland@hotmail.com ) All Rights Reserved
戦略のイメージに合うフリー素材の動画gifを、http://www.atjp.net からダウンロードして活用しています。