89. 競合企業の将来技術の特許権を先取りする方法
まず、ターゲットとなる競合企業の商品カテゴリーを決定する。そして、その商品カテゴリーについて、次の情報を
収集する。
(1)カタログで主張している特徴機能の時間的変遷と、その特徴機能の実現技術の変遷
(2)その競合企業のその商品カテゴリーについてのキーパーソンの氏名
(3)その競合企業が、その商品カテゴリーについて、自社商品と他社商品を比較して主張している自社商品の優位性
(4)その競合企業が、その商品カテゴリーについて有する重要顧客の名前と、その商品カテゴリーの商品を使用した、その重要顧客の事業
(5)その競合企業が、その商品カテゴリーについて行なっている特許出願における「発明が解決しようとする課題
」の変遷
(6)その競合企業が、その商品カテゴリーについて行なっている特許出願の実施例で多用されている技術
(7)前記キーパーソンがその商品カテゴリーに関連して述べた論文、記事などの各種の情報
これらの情報(1)から(7)に基づいて、現時点においてその競合企業が、その商品カテゴリーでの競争のポイント
としている重要技術(核技術)を抽出する。
次に、その核技術を基礎にして、どのような機能をどのような技術構成によって実現する可能性があるのかを、その技術分野の専門家による
討議によって抽出していく。
その競合企業が、対象商品カテゴリーについて有する重要顧客が、その商品カテゴリーについて有するニーズを分析し、
そのニーズをより良く満たしたり、そのニーズの発展形を満たすためには、核技術から発するどのような技術が重要
であるかを把握する。
このようにして得られた技術が、ターゲットとなる競合企業が必要とする将来技術の一部である。
この分野をターゲットに、自社のアイデアマンの発明パワーを集中して発明して、特許出願を網羅的に行なうことで、
競合企業の将来技術の一部を先取りすることができる。
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