385. IoTが創造しつつある新たな価値観と奇跡

シェアリングエコノミーは、生産量や収入が大きい方が豊かであるという価値観と、GDPだけを目標指標とした国家運営を否定している。
不便益システムは、便利であれば良いという価値観と、オートメーションを否定している。
ブロックチェインは情報の集中型管理と、中央銀行を中心とした金融システムを否定している。
センシングデータ流通市場は情報の囲い込みと、一部の超巨大企業による監視社会を否定している。
人類社会のアーキテクチャは、これらの動きによって急速に進化しつつあることが判る。IoT産業革命である。

IoTは、異なるプロセスの連携タイミングを最適化する。例えれば、空中ブランコでブランコからブランコに飛び移るという奇跡のような技を日常化させる。
IoTは、相性が最適のカップルを膨大な可能性の中から瞬時に見つけ出しで自動的にネットワークを通じて結合させる。
IoTによるシェアリングエコノミーでは、自分が使いたいときに使えるようにするためには物を所有することが必要なくなり、 さまざまな物の使用効率が格段に向上するので、人々の生活コストが大幅に下がる。
IoTでは、マネーにしても、情報にしても分散管理できるようになり、権力の集中が発生しにくくなる。こんなことが、IoT産業革命の中で、一挙に起ころうとしている。
このビジョンを具体的なシステムやサービスに誰が早く落としていくかが勝負の分かれ道になりそうである。

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