355. イノベータとオペレーション派の関係
イノベータは常に困難に囲まれています。
なぜならば、どのような分野であってもイノベータは、常に多数のオペレーション派に囲まれています。
しかも、多数のオペレーション派は、自分たちがオペレーション派であって、自分たちの思考パターンや行動様式がイノベーションを阻害していることに全く気付いておらず、
オペレーション派の善意がイノベーションを阻害しているという大変に深刻な状況だからです。
ニーズ側イノベータとの結合ができていないシーズ側イノベータは、ニーズ側イノベータとの結合を探る活動を、オペレーション派によって、
時期尚早とかリスクが大きいとか言われて、阻止されています。
また、シーズ側イノベータとの結合ができていないニーズ側イノベータは、シーズ側イノベータとの結合を探る活動を、オペレーション派によって非現実的とか、
実績のない技術は採用できないとか言われて、阻止されています。
これは、「オペレーション派の海に浮かぶイノベータの泡が生まれては、成長することなく消滅している」という状況です。
オペレーション派は、存在しているものや実績のあるもの、短期的に結果が出るもの、現在の延長上にあり仕組みが現在と変わらないものしか、見えないし、
価値を感じることができないという人たちです。
そして、どのような分野の世界であっても、オペレーション派が多数派を形成し、組織の権力を掌握している場合がほとんどです。
イノベーション派は、オペレーション派とは逆で、まだ存在していないものや実績の無いもの、短期的には結果がでないもの、現在の延長には無いもの、
仕組みが現在のものとは大きく変化するものが見えて、それらに価値を感じることができる人たちです。
どのような分野であっても、イノベータは少数派であり、組織の権力を掌握していない場合がほとんどです。唯一の例外は、イノベータが集まって、
新たな組織を立ち上げる場合です。
すなわち、ベンチャー企業などの新規組織の創立者となった場合です。
そのようなベンチャー企業が成長軌道に乗るためには、他のイノベータとの出会いが、イノベーションを小さくても形にできて、
その形を見たオペレーション派がイノベーションを受け入れ始め、それがイノベーションの成長サイクルを開始させるという状態に到達できることが必要です。
すなわち、イノベーションの促進に必要なのは、まずはイノベータ相互の出会いの場であり、
次に必要なのはオペレーション派が自分たちの価値観や論理がイノベーションを阻害していると認識することです。
【参考サイト】
1.Part2】第2回 “執行派”がイノベーションを潰す
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20130228/268805/?ref=RL3&n_cid=nbptec_tec00001
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