249. 知識社会におけるIPオフィサーの役割
ドラッカーの言う知識社会でいう知識に該当する
ものは発明でしょうか、それとも知的財産権でしょうか?
ドラッカーの言う知識の中の、技術上の知識に該当するものの1つに、発明などの知的創作物があると思います。
そして、知的財産権は価値創出を行なわないゼロサム世界の存在でしかなく、発明などの知的創作物は価値創出を行なう
プラスサム世界の存在であり、知的財産権よりも価値が高いと考えます。
知的財産権そのものは、企業および国家の付加価値の源泉ではありません。
知的財産権は穴があちこちに開いていて、破れ易い透明な薄布のようなものであり、薄布を支える支柱がなければ、テン
トとして市場を囲む役に立ちませんし、透明ですので、どこに薄布があるのかを見る眼がなければ役立ちません。
知的創作物は、企業の付加価値の源泉の一つですが、知的創作物の中にもゴミのようなものも多く混じっていますし、陳
腐化したものも多く含まれています。
したがって、知的創作物を取捨選択し、事業活動や研究開発活動において他の経営資源と結合させたり、他の企業との連
携に活用するために知的創作物と知的財産権を駆使する人(IPオフィサー)の意志や知見が、知識社会における企業や
国家の経営にとっては重要であると言うことになると考えます。
すなわち、ポスト資本主義社会である知識社会においては特に、IPオフィサーには、企業戦略や国家戦略を担っている
のだという意識と、その意識に見合った修練と行動が求められます。
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