245. 特許制度が産み出し続けている「知恵の結晶」である特許情報データベースの潜在パワー

特許情報データベースの中のもっとも重要なコンテンツは、請求項である。

請求項は、特許権者に与える一定期間の独占排他権の範囲を記述するという役割のために生まれたのであるが、請求項には その役割をはるかに超えた潜在的可能性がある。それは、発明が新規性と進歩性と産業上利用可能性を有することを主張できる もっとも濃密な記述を、請求項が与えていることに起因している。特許情報データベースの中に請求項は膨大に集積しており、 文明の構成部品を技術思想空間で表現しているだけでなく、現実の経済活動空間ともリンクしている。
請求項の効率的な組み合わせと活用を行なえば、文明は急速に発展し、世界は幸福に満ち溢れることも可能となるのであるが、 その潜在的な圧倒的な請求項のパワーはまだ、解き放たれること無く、ただただ集積しつつあるだけである。
特許情報データベースを、単に公知文献のデータベースとして使用することや、請求項を単に特許権者の権利範囲を示すものとして のみ使用することは、巨大な宝石を漬物石にしか使用しないことと同じ、大変に馬鹿げたもったいないことである。
特許制度が産み出し続けている「知恵の結晶」である特許情報データベースの潜在パワーを解き放つことができれば、すばらしい 世界が開ける。
特許戦略メモに戻る      前ページ      次ページ

(C) Copyright 2009 久野敦司(E-mail: patentisland@hotmail.com ) All Rights Reserved

戦略のイメージに合うフリー素材の動画gifを、http://www.atjp.net からダウンロードして活用しています。