220. イノベーションオーガナイザ
複数の組織の保有する技術や事業を組み合わせて、これまでに無い有望な技術や事業を実現するには、
イノベーションオーガナイザが必要である。
イノベーションオーガナイザは、発明能力をもち、広い範囲の技術と事業を理解でき、複数の組織の
技術や事業の組み合わせによって実現できる新たな価値ある技術や事業を構想し、その技術や事業の
構想の実現に必要な、内部組織と外部組織の組み合わせによる新組織をも構想できる人材である。
イノベーションオーガナイザの創造する構想を、MBA,MOT,知財の各専門家が肉付けし、弱点
を低減し、強みを強化した戦略に仕上げ、その戦略を経営指導者がリーダーとなり、事業計画を作成して、
資金と人材を集め、技術開発や事業開発に進むことで、イノベーションオーガナイザの創造した
イノベーション構想が現実化する。
このようにして、イノベーションを実現していくパターンを、イノベーションオーガナイザ駆動型
イノベーションと呼ぶ。
従来の産学連携、TLO、大学発ベンチャーなどの活動に、イノベーションオーガナイザが加わることで
イノベーションの実現の可能性が格段に高まる。
技術や事業を単独で評価したり、プロモートするのではなく、他の技術や事業との価値ある組み合わせ
を構想し、評価することをイノベーションオーガナイザはできるので、検討の母集団が格段に広く
なり、結果として成功できる可能性の高い構想が生まれやすくなるのである。
しかも、イノベーションオーガナイザは高度の優れた発明能力を持っているので、自分の頭脳の中で
価値ある組み合わせだけを抽出し、価値の無い組み合わせは捨て去ってしまっている。
そのため、組み合わせの個数の爆発的な膨大さにも打ち勝って、技術や事業の複数個の価値ある組み合わせ
を得ることができるのである。
イノベーションオーガナイザは、技術や事業の組み合わせ爆発の海において、価値ある組み合わせの
ルートに船団を導く、水先案内人であり、その頭脳の中に海図が発生するのである。
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