202.IPオフィサー(1級知的財産管理技能士)の鍛え方

IPオフィサーには、自社および競合企業の技術の発展の方向を予測する能力、着目した技術が活用 される商品やサービスの内容や、その市場規模や関係する自社および他社の事業を推定する能力、 それらの予測や推定に基づいて、自社の事業を知的財産権を用いて維持向上させる方策の立案と実行 の能力、関連する社内外の組織を活用したり、組織化する能力が必要となります。

IPオフィサーが、これらの能力を鍛えるために、特許実務での次のような日々の努力が効果的で す。

1. 請求項の記載のみから、その発明の目的や効果を想定する。
2. 請求項の記載のみから、その発明の応用事業とその応用事業が実現された場合の事業の強みと 弱みと市場規模を推定する。
3. 発明の目的と請求項の記載から、同じ目的を達成するために用いることが可能な他の競合方式 とそれを用いた事業の強みや弱みを想定する。
4. 請求項の記載から、その発明の技術の開発と事業化のために必要な社内外の組織の連携体制と 運営方法を想定する。

上記のように特許情報という制限された種類と量の情報に基づいて発想し、その後、その発想をベー スとして関連する情報を、文献やヒアリングや、現場観察やインターネットなどを通じて収集し、 想定を修正したり、拡大したりします。これにより、発想力+現場感覚や事業感覚が鍛えられます。

このようなことの全部または一部は、個別の発明の価値評価やそれに基づいた中間処理や特許権の 活用などにおいて、頻繁に必要とされることです。
このような活動を知財業務の中で日常的に繰り返していると、知財パーソンは事業と技術にも目利き 能力が備わった、「IPオフィサー」になっていけると思います。
さらに能力を向上させれば、IPオフィサーからCIPOと言えるレベルに達すると考えます。
【参考サイト】
1. 1級知的財産管理技能士(IPオフィサー)と弁理士(IPエージェント)の役割の違い
2. 知的財産管理技能検定

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