200.技術者の苦闘の記録としての特許出願
研究開発がビジネスにつながるかどうかの判断は大変に難しいし、ビジネスにつながる可能性は研究
テーマに対して、定まった手順で計算された指標を適用して、客観的に決めることができるようなも
のでもないということの認識が必要だと思う。
研究者のビジョンや研究への情熱、それを見て一緒にビジョンを追求しようと思う営業マンの情熱は
、顧客にまで広がっていき、共感を与え、思わぬ人の繋がりから技術や事業の結合が発生し、ビジネ
スが成功に向かうこともある。
特に、若い技術者の担当する開発テーマは大事に取り扱い、その技術者の青春が輝くように知財部も
対処することが必要である。しかし、若い技術者の技術を観る目を鍛えるためには、知財部員は若い
技術者に厳しい技術論をぶつけることが必要となる。先行技術に対する圧倒的な優位性を実現するよ
うな新原理によるアーキテクチャを創造するようにできるだけ促すのである。
そして、若い技術者がそのような姿勢でがんばって技術開発をして斬新で有望な発明をした場合には
、その技術者の開発テーマが何らかの事情で中止になったとしても、その技術者の苦闘の記録として
、そして、ビジネス上の基礎的な優位性を実現する特許となるとともに、中止となった開発テーマの
将来の復活の種、または他の開発テーマの中での復活の種とできるように、特許出願を行ない、その
権利化に向けて知財部は努力すべきである。
そのようにすることが、ビジョンとやる気を持った若い技術者に少しでも希望を与えることにつなが
る。
そのような予算の余裕をつくるためには、知財権の活用などを通じて、日頃から基本発明を見抜く目
を知財部は鍛えておき、小粒の発明に経営資源をできるだけ費やさないようにしておくことが必要で
ある。
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