197.「他を幸せにし無駄を省くイノベーション」のための特許戦略
事業の本質は社会への貢献ですので、事業のための特許戦略も究極は社会への貢献となると思います。
社会への貢献を継続していくためには、ある程度の利益が必要ですが、利益は追い求めるのではなく、
社会への価値提供を行いながらも無駄を省いていけば、自然と利益はついてくると考えます。
特許戦略は、価値提供活動の進化であるイノベーションを促進するための、競争と協調の秩序形成
活動であると思います。
すなわち、技術開発はイノベーションを通じて、この世を美しく楽しい場所にするものであり、特許
戦略はそれを促進する秩序を形成するものだと考えます。
事業においても技術開発においても、社会への貢献を目指す志が根本的な駆動力であり、利益を得た
いという欲望を駆動力にしていると、道を誤りますし、大した成果は出ません。
なぜなら、利益だけを目指していると、事業や技術開発の途中で発生する幾多の困難が、自分の利益
を損なうものに思えて、自分の駆動力が減衰し、他の「楽をして利益を得られる方向」に向きを変え
がちになるからです。社会への貢献を目指す志があれば、そんなことにはなりません。
その意味で、知財業界は「楽をして利益を得るための道具」として技術や特許権を取り扱う投機家の
発想に陥らないように留意し、「他を幸せにし無駄を省くことで利益も得られるイノベーション」を
促進することを心がけるべきだと思います。
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