189.組織の構築の手順

知財組織に限らず、何らかの任務を果たすための組織を構築するには、しっかりした手順が必要と考える。
例えば、次のような手順が考えられる。

ステップ1: 考え抜いた上で、その組織の任務を定義する簡潔な文章またはフレーズを示す。
ステップ2: ステップ1による定義を構成する各概念の明確化とブレークダウンを行ない、その組織の任務 の体系化を行なう。その体系の中には、任務の実行結果の評価基準も入れておく。
ステップ3: ステップ2で明確化した任務の体系をもとに、任務実行に関係しそうな外部環境、内部環境を 考慮した上で、何らかの原理を適用して、任務実行の確固とした方法論を設計する。
ステップ4: ステップ3で設計した方法論を試行し、その結果を評価する。方法によって達成した成果の質、 スピード、コストパフォーマンス、安定性や信頼性などが評価基準として考えられる。
ステップ5: ステップ4での評価結果に基づいて、任務実行の方法論を改善するとともに、必要に応じて ステップ2で作成した体系の修正を行なう。そして、ステップ4に戻る。このようにして、方法論が確立したら ステップ6に移る。
ステップ6: 方法論を実行する組織体制を設計する。その際、組織体制を構成する各プレイヤーを構成要素 とするビジネスモデルがプレイヤーの共存共栄と高いコストパフォーマンスを実現できるものとなるようにする。 そうしなければ、組織は歪を持ったものとなり、機能不全に陥るし、発展しないものとなる。
ステップ7: 設計した組織体制を、プレイヤーを含めた関係者にレビューして、修正して参加者の納得を得る。
ステップ8: 組織体制の設計が固まったら、その組織体制を構築するための業務を明確化し、優先順位と 因果関係に基づいたスケジュールと業務分担からなる実行計画を作成する。また、実行計画の進捗と成果を評価する基準と方法も 作成しておく。
ステップ9: ステップ8で作成した評価基準のもとで、組織構築の業務のPDCAサイクルをまわす。
ステップ10: 組織体制が実現できたら、運用してみて、ステップ2で作成した評価基準をもとに課題を抽出して改善する。


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