160.組織内の情報流通と知的財産権

企業にしても、大学にしても、価値ある情報を迅速に流通させて、その情報を活用した活動を活発にすること や、さらに情報を加工したり、新たな要素を付け加えて新しい価値ある情報を創造し、活用することが組織が 維持発展するために、必要である。
しかし、どんな情報でも無秩序に組織内を流通させて良いというものではない。
組織の活動を制御したり組織の外部に対して組織としての意志を示す情報(組織制御情報)は、責任と権限に 基づいて流通させ、処理しなければならない。
また、他者に知的財産権が帰属する情報(発明、著作物など)や自社の機密情報や他者から制限付きで得た機密 情報などのように、その情報へのアクセスや、その情報の使用に制限がある情報(制限付き情報)は、 その情報の流通と使用を管理しなければならない。
組織制御情報、制限付き情報に属さないすべての情報(自由流通情報)は、自由に正確・迅速に組織内を流通 させることが、必要である。
自由流通情報は、電子メールや共有データベースにて自由に流通させることが良い。
組織制御情報は、組織階層の構造と組織内の責任権限に基づいて、流通させる必要があるので、電子メールや 共有データベースで流通させることにはなじまない。組織制御情報の流通に特化した情報システムが必要である。 また、制限つき情報は、アクセス記録が残り、制限付き情報をアクセスした者が制限の内容を確認した上で 情報の本体にアクセスできるようにすることが必要である。
自由流通情報と組織制御情報と制限付き情報の区分けができていない場合、安全サイドで情報流通を管理しようと として、全情報を組成制御情報と同じルートで流通させようとすると、組織内の情報流通は停滞し、組織は 活力を失なう。
逆に、組織制御情報や制限付き情報を自由流通情報と同じルートで流通させると、組織内の統制は乱れて組織の 意思決定は乱れるし、他者の知的財産権の侵害行為を行なったり、機密情報の漏洩や目的外使用などが発生 する。
さらには、他者の機密情報の使用に起因して、自社の活動が制限を受けたり、自社の知的財産権が他者に奪われ たりするということも発生する。
組織内情報流通は、知的財産権業務に大きな影響を与える重大事である。
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