16. 特許戦略マネージメントのポイントは、人です
特許戦略マネージメントのポイントは、人です。戦略思考のできる研究者、技術者、知財専門家、
事業企画者が必要です。そして、何が付加価値の源泉であるのかを本気で深く考察し、的確に表
現することを、行なう人が必要です。最終的な付加価値は、社会に貢献する商品やサービス、情
報を提供することです。それを行なうためには、何が必要か、どの方向に向かうのが重要かを考
察することをできる研究者、技術者、知財専門家、事業企画者を特許戦略マネージメントに配置
することが必要です。ここで言う知財専門家には、知財の法的知識と知財を法的権利として取り
扱う能力は必要ですが、それは知財専門家が特許戦略マネージメントにおいて貢献する中心的な
能力ではありません。技術の構造を論理的に把握し、付加価値の源泉の技術を把握し、事業と
技術の螺旋状進化のビジョンを技術者、事業企画者とともに構築したうえで、特許を取得すべ
き分野を選定して、特許権を取得すること、取得した特許権をもとに標準化戦略などの事業立
ち上げの立案と実行を行なうことが、知財専門家に期待される付加価値です。
上記に記載のことは、理想論のように思えるかもしれませんが、技術者や事業企画者の中に、
数少ないが存在するそのようなことのできる人材を発見し、そのような人材と知財戦略の専門
家でチームを組ませることで達成できるものです。何が付加価値の源泉であるかを本気で深く
考察することのできる人材は、なかなかいません。たいていは、日常業務をこなすことで精一
杯となり、戦略業務にはなかなか知的パワーも時間もさけないし、さきたくないという人が
大勢です。どの人が戦略業務に適しているかは、自分の業務において何が付加価値の源泉であ
るかという本質的な質問をしたり、あなたの今やっているテーマの最も重要なポイントは
何ですかというような質問をしては、議論をしているとわかってくるものです。
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