158.企業にとってのMVP(Most Valuable Patent)

大変に優れた発明、大変に優れた特許権は、企業を急成長させる種となる。
もしも、そのような発明が社員から創作されたり、凄い特許権を取得できたにもかかわらず、その発明や特許権 の重要性を見抜くことができなければ、せっかくの成長のチャンスをその会社は無意識に見逃すこととなる。

研究開発組織を有していて、定常的に発明が生まれ、定常的に特許出願をしていると、慣れから、発明に対し て鈍感になってしまう。
その結果、自社を飛躍的に成長させる種となる発明であっても、それが認識されないことになってしまう。
ともすると、その発明の切り開く広大な事業ビジョンを語るよりも、疑問や各種のリスクを指摘することの方が行なわれやすい。
売り上げ、利益率、BEP、付加価値率などの経済的経営指標は経営には大事であるが、これらの指標は経営の 過去の実績を示す経済指標であり、未来の可能性を示すものではない。
未来の可能性を示すものの中で、大変に優れた発明や大変に優れた特許権は、それらを活用するビジョンとともに 語られることで、説得力と経営上の効果をもたらす。

自社のMVP(Most Valuable Patent)を抽出し、MVPを社長が理解し、 MVPを用いた事業ビジョンをつくり、その実現に向けた活動をすることが、未来志向の経営としては重要 である。

インターネットでのサーチエンジンの技術をもとに急成長したGoogleは優れた技術(発明者はLawrence Page氏のUSP7,058,628など)を事業に生かすという ことが出来たものであり、大変に参考になる。(参考サイト1、2)

【参考サイト】
1. 失意から生まれた企業、グーグル--スタンフォード大関係者が語る
2. Method for node ranking in a linked database
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