12. 技術進化の法則の表現方法の1つ、発明グラフ構造
発明Pが、課題Aが存在する状態から、課題Aが解決した状態Bに変換するものだとします。
そうすると、発明Pは点Aを起点として点Bを終点とする矢印(アーク)として表現できます。
課題Aが解決した状態である状態Bにおいても、新たな課題C1やC2が存在します。そうすると、
点Bに重なる状態であり、課題C1が存在する点からC1が解決した状態D1へ向かう矢印や、
点Bに重なる状態であり、課題C2が存在する点からC2が解決した状態D2へ向かう矢印として
発明P1やP2を表現できます。このような表現規則を用いて、技術進化の法則を発明グラフ構造
の中の有力パスとして示すことができます。パスの中には、課題解決の順序が社会のニーズの
発生する順序にマッチしないという理由で技術進化の法則を示すパスとしては、有力なものとは
評価できないというものも抽出できます。また、実現性の困難な要素技術を示すアークが必要と
されるパスは、実現性が低いということで、有力パスとはなりません。
要素技術の発明では、他の発明グラフ構造と結合しないで浮いた状態のアークとなっているもの
もあります。発明の集合を、発明グラフ構造で表現することで、代替技術の発見、発明間の使用
関係の抽出、基本特許の抽出などが可能となります。
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