107. 特許権行使の作法

特許権の行使は、企業間戦争の一形態ではありますが、できることなら武道のようでありたいと思います。 すなわち、特許権行使を行なう者にとっても、周囲の者にとっても、何らかのさわやかさを感じさせるもの であり、特許権行使を通じて相互に学び合えるというものにしたいと思います。
そして、特許権行使が単なる戦いというよりは、礼に始まり礼に終わり、さらには良きライバルや、パートナー の出会いの場にもなり、発明などの知的創造の活発化につながるのであれば、素晴らしいと考えます。
そのためには、特許権行使は無原則なものであってはならず、一定の作法が必要と考えます。
私の考える「特許権行使の作法」を、述べます。

一 故意による侵害品ではない限り、相手製品が自己の特許権の侵害品であったとしても、自己の特許発明 よりも進歩した部分を有する場合には、相手製品に対しても敬意をはらう。
一 攻撃を受けた特許権とは別の製品分野の特許権を用いての反撃は、行なわない。
一 技術論争、法律論争は、論点を整理して、正々堂々と真っ向から、できるだけ短時間で議論する。
一 特許権行使が縁で、良き提携関係となれる可能性があることを常に留意しながら交渉する。

【関連図書】

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