104. 集団安保体制型パテントプール
パテントパワーの強大な大企業に対抗するため、多くの小企業が、次のような機能を有する集団安保体制を
構成するということが、考えられる。
1. 集団安保体制型パテントプールのメンバーへの特許権での攻撃は、パテントプール全体への攻撃とみ
なし、攻撃してきた相手方への反撃を全メンバーのパテントパワーを結集して行なう。
反撃の手段としては、次のものがある。
(1) 相手方が攻撃に使用した特許権を無効化する先行技術を共同で調査して発見しようとする。
(2) 相手方が攻撃に使用した特許権の権利化の過程での欠陥を共同で調査して発見しようとする。
(3) 相手方の製品やサービスに権利行使可能な自己の特許権を各メンバーが抽出し、共同で反撃に活用する。
(4) 前記の(1)から(3)に必要な人員、資金、情報を共同で負担する。
2. 攻撃を受けたときの反撃用に使用できるように、集団安保体制型パテントプールのメンバーは、自社の
特許権のライセンスをせず、常に自己の特許権の価値評価を適切に行ない、武器として活用できる特許権の維持
に努める。
3. 集団安保体制型パテントプールのメンバーは、基本特許と言える特許権の獲得を常に努める。
このような集団安保体制型パテントプールは、契約するだけで成立するのではなく、日頃からのメンバー企業
のトップ相互の連携活動が必要である。また、特許戦略についての研鑽を怠らない強力な事務局の存在が不可欠である。
それなくしては、単なる親睦団体の域を出ず、いざという時に役に立たない。
下記参考サイトで紹介されている日本IT特許組合の事務局は、特許戦略工学の研究メンバーでもあり、日本に
おける集団安保体制型パテントプールのパイオニアである。
【参考サイト】
(1) ソフトウエア企業が共同で展開する知財戦略
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