97. 請求項の本質とは何か
特許実務をしていて、特許実務においては、請求項がもっとも重要な情報であると私は実感しています。
請求項は、法的要求、事業や技術戦略上の要求などのさまざまな要求のもとで記述されますが、発明の明瞭で理解
容易な記述を有していなければならないと思います。
また、「本来、請求項の記載は明細書および図面を参照せずとも明瞭に理解できるように記述すべきだ」と思いま
す。発明の詳細な説明を参酌して請求項に記載の発明の技術的範囲を決めたり、権利化の過程で出願人が述べた事
項を参酌して請求項記載の発明の技術的範囲を決めるというものは、「本来、請求項の記載は明細書および図面を
参照せずとも明瞭に理解できるように記述すべきだ」という基準を満足できない不良品の請求項の取り扱い方法で
あると考えます。
請求項の記載は、明細書および図面を参照せずとも明瞭に理解できるように記述すべきだという事は、請求項は明
細書および図面と無関係に記述してよいということは意味しません。請求項は概念設計書とし、明細書および図面
は詳細設計書として、相互関係が明確になっていなければなりません。
http://www.patentisland.com/memo82.html
また、請求項は技術的思想の創作である発明そのものとは異なり、発明を実空間上での表現形で記述しているもの
だと思います。
http://www.patentisland.com/memo95.html
http://www.patentisland.com/memo60.html
私は、請求項の記述を洗練していけば、最後には数学的な関数として厳密な形式で表現できるようになると思いま
す。
http://www.patentisland.com/memo96.html
しかし、最も本質的な質問が請求項に関して横たわっています。
「理解容易に記述されている請求項とは、どんな請求項なのか?」という質問です。
請求項を理解するとは、どんな事を言うのかということでもあります。この疑問に対して、工学的な答を用意しな
ければならないと考え、常に考えています。
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