351. イノベーションの本質

現在の安定な局所最適な状態を捨て、苦しい谷底に降り、さらにはそこから高い壁や長い道程を越えて、 前にいた局所最適な状態よりもはるかに高い価値または異なる価値の頂である状態を創造することが イノベーションである。

自分の利益と安楽を価値基準としている人は、苦しい谷底に降りることをしないので、イノベーションは起こせない。
また、目利き能力や洞察力がなければ、谷底のはるか向こうにある新たな頂の存在を認識できないので、その頂を目指すという活動を開始できないので、 イノベーションは起こせない。

苦しい谷底に降りて次の頂を目指すことができるイノベータは、真善美愛という価値観と執念と情熱に基づいた使命感を持った目利き能力者である。
使命感は持てと言われて持てるようなものではなく、自分自身の中から沸き上がるものである。

イノベーションのための活動を多数決で決定することに原理的なおかしさを感じる人がなかなかいない。

ルーチンワークの組み合わせでイノベーションが起こせたり、暗黙知の形式知化でイノベーションが起こせるという誤解は、 ルーチンワーク中心で仕事をしてきた人々に一時的な快さを与えるが、イノベーションはもたらさない。

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