311. 機能の発展のパターン

機能は、何らかの作用を行なう能力である。そして、機能の表現形式としては「作用対象に対する動作」又は「作用対象に対して実現する状態変化」又は 「対象への作用をもたらすエネルギー,物質,情報,力の出力と、そのような出力の形成に用いる入力ならびに入力を出力に変換する動作」となる。

事業活動は、顧客や社会に対して価値を提供できる機能を、商品やサービスを通じて、競争力と成長性を持って供給するという活動である。
技術活動は、顧客や社会に対して価値を提供できる機能を、技術を用いて商品やサービスの中に競争力と成長性を持って実現する活動である。
知財活動は、顧客や社会に対して価値を提供できる機能のための活動の競争力を、知的財産および知的財産権を用いた手段を中心として強化する活動である。

機能の発展には、次のようなパターンがあるので、技術開発や発明計画や事業企画や他者知財権リスク対策や特許戦略等においても、 これらのパターンに注目する事が必要である。

1. 機能による作用のための前提条件が緩和される。
2. 機能による作用対象(例:物質、エネルギー、情報、それらの様々な組合せ構造、それらの流れ)が拡大される。
3. 機能による作用の時空間的範囲が拡大される。
4. 機能による作用の対象や時空間的範囲の制御の自由度が拡大され高度化される。
5. 機能による作用の到達レベルが高度化される。すなわち、性能が良くなる。
6. 機能による作用に必要な各種資源の利用効率が高くなる。無駄が少なくなる。少ない資源で同等な作用ができるようになる。
7. 機能による作用の中の良い作用が強化され、悪い作用(副作用)が減少または消滅される。
8. 他の機能との連携動作が可能となる又は円滑になる。
9. 機能による作用の安定性や信頼性が高くなる。
10. 機能による作用の最適化が行なわれる。

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