205.(IPオフィサー心得)産学連携を行なうIPオフィサーには発明能力が必要

産学連携は、大学の保有するシーズ技術を企業の製品や技術と結びつけて、新事業を創出したり、その 企業の事業を強化することが本質である。
企業の製品や技術が指向する顧客価値が発展していった場合に必要とされる顧客価値を想像し、その 想像した顧客価値の実現に必要な機能、その機能の実現に必要な技術を発想する。
このようにして発想した技術に該当する大学のシーズ技術を抽出するか、そのような技術を開発でき そうな大学の研究室を抽出する。
この一連の行為は、新たな製品を発明する発明行為とも言える。産学連携のための企業側のニーズと 大学側のシーズをマッチングするためには、発明能力が必要となるのである。
産学連携を行なうIPオフィサー(1級知的財産管理技能士)としては、50件以上の特許出願において単独発明者または筆頭発明者に なっていることが望ましい。

また、大学の主なシーズ技術について、そのシーズ技術が優れているポイントや、優れている ポイントが発生している技術的な原因となっている原理を、頭の中に具体的なイメージとして形成 しておくことが重要となる。
このようなイメージが形成されておれば、企業の顧客価値の実現に必要な機能をうまく実現できる、 技術シーズを簡単に抽出したり、技術シーズの組み合わせを発想できる。
これができるようになるためには、大学の技術シーズのポイントを自分自身が苦労しながら、 ビジネスや商品の言葉や図を用いて、パワーポイントで1ページから2ページの範囲に簡明に記述 するということが、大変に有効である。これをすると、前記のイメージの形成と主要なシーズ技術の 抽出ができる。
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