195.技術経営(MOT)と、プロジェクトX
技術経営とは、技術を使って効率的に継続的に事業利益を得るための管理手法である。
http://www.hkd.meti.go.jp/hokig/chiiki_mot/sanko.htm
そこには、技術者の志や技術の社会における意義という概念は無い。いかに楽をして効率的に儲ける
かという発想が根底にある。利と楽を価値基準にしており、「投資家のための技術」というものに
なっている。
技術経営との対極にあるのが、プロジェクトXである。
プロジェクトXは、意義のある仕事を困難に打ち勝って成し遂げた者たちの記録である。
http://www.youtube.com/watch?v=rnpDZvopQyE&feature=related
プロジェクトXの根底にある価値観は、真善美である。企業は社会のための存在であり、公器であり、
利や楽は役割を成し遂げた後に自然に付いてくるものであり、追い求めるものではないという発想が
ある。利や楽が不要というわけではなく、利や楽は役割を成し遂げるために、組織を維持するために
、ある程度は必要だから得るというものであり、利や楽が企業の存在目的や技術の目的では無いと
いう発想である。
そう考えると、MOTには、管理に技術者が疲れるまでの一定期間だけ技術開発の効率を向上させる
パワーはあるかもしれないが、物事を成し遂げる技術者の志というものを無視しているために、
革新的なそして偉大な事柄を成し遂げるパワーはMOTには無いということがわかる。
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