113. 基本発明を行なう方法
基本発明は、人間の精神の殻を打ち破ることから生まれる。この殻は、多層構造であり下位の殻ほど打ち破る
ことは困難である。下位の殻ほど、発想や判断の基本部分になっており変革が難しいからである。しかし、
打ち破った場合には下位の殻ほど、そこから生まれる発明は基本的であり、適用範囲が広くなる。
【精神の殻の階層】
(下位) (上位)
価値観 > 主義、規範、理想、原理 > 問題意識 > 目的認識 > 課題設定 > 解決策
発明が生まれた場合、その発明がどの階層の殻を打ち破ったものなのかを認識し、さらに考察して下位の階層
の殻を打ち破れないかと努力をしてみる必要がある。
すなわち、自分の発想が自分が有するどのような暗黙の前提を基礎においているのかを確認することが、精神
の殻を認識することになり、その認識がその精神の殻を打ち破ることにつながる。
価値観の根幹部分は3歳までに、理想像や原理の大部分は学校教育の中で、問題意識の大部分は社会人になりた
ての頃に、目的意識の大部分は現在の職務領域の中で、形成される。
そして、意識している技術の大部分は現在において関与している技術分野に対応するというように感じる。
人間の脳は、情報処理パワーの節約を図るために、様々な精神の殻を有している。しかし、その殻が新しい
発想の障害となっている。基本発明は、この精神の殻を壊すことで生まれる。多数決では精神の殻は破れない。
私の思う精神の殻を打ち破るコツは、次のとおり。集中思考と瞑想思考を交互に繰り返すと、良い。
1. 素直な心
2. リラックスした心
3. さまざまな人による異なった観点や情報を読書や会話の中から得て、それに刺激を受けること
4. 定説や常識にとらわれず、物事の本質を探究しようと、長期にわたって集中思考すること
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